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「もしドラ」 岩崎夏海さん

「もしドラ」 岩崎夏海さん_d0039059_714054.jpg「Kちゃん、これ読んでみろ、面白いから。この本はバカにできないぞ。」
昨年、俺の尊敬する先輩からお借りして読んだ本。それまでは、その書籍の存在は知っていたものの、萌え系アニメの表紙にいささかのためらいを持ち、正直距離を置いていたのだった。

薦められるままに読んでみると・・・なるほど、面白い。しかも、ちょっと感動。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(http://moshidora.jp/)は、俺たちサラリーマンのおじさんが読んでもためになる本だ。もちろん、青春小説としてもよくできており、売上げが一万冊を突破、一大ブームを巻き起こした理由も頷ける。最近は実写の映画まではじまった。

ドラッカー氏は、俺の尊敬する松下幸之助氏と並ぶ、経営哲学の大家である。ただ、松下氏と異なる点は、ドラッカー氏は学者であって経営者ではなかった、という点である。
そういう意味では、松下氏とドラッカー氏は、経営の内と外、両面からの深い洞察に一生を捧げ、後世の経営者に大いなる示唆を与えてきた両雄だ。

俺も年度当初の方針発表などで時折、ドラッカー氏の言葉を引用してきたが、彼の言葉はシンプルでありながら物事の本質を突いている。松下氏に比べるとより客観的かつ分析的で、深く考えれば考えるほど最後は胃の腑に落ちることが多い。

そのため、最近は俺も素直にブームに乗って、NHKで放映されたアニメや、ドラッカーの名言をとりあげた番組を全て録画している。後々観直して、ドラッカー氏の考え方をあらためて学びなおしてみたいと思う。

ところで、何故いまさら昨年読んだ本の話をしているかというと、たまたまPCのファイルを整理していたら、この「もしドラ」で取り上げられていたドラッカーの名言のメモが見つかったからである。

この物語のストーリーは既に多くを語られているのであえて語らないが、この中で取り上げられているドラッカーの名言については、いつでも読めるブログの方に記録を残しておくことにする。

以下は引用である。

◆企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。
マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。(16頁)

◆自らの事業は何かを知ることほど、簡単でわかりきったことはないと思われるかもしれない。
鉄鋼会社は鉄をつくり、鉄道会社は貨物と乗客を運び、保険会社は火災の危険を引き受け、銀行は金を貸す。しかし実際には、「われわれの事業は何か」
との問いは、ほとんどの場合答えることが難しい問題である。わかりきった答えが正しいことはほとんどない。(23頁)

◆企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。事業は、社名や提案や設立趣意書によってではなく、
顧客が財やサービスを購入することにより満足させようとする欲求によって定義される。顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。したがって、
「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。(23頁)

◆したがって「顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義する上で、もっとも重要な問いである。(23~24頁)

◆やさしい問いではない。まして答えのわかりきった問いではない。しかるに、この問いに対する答えによって、企業が自らをどう定義するかがほぼ決まってくる。
(24頁)

◆働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠である。
(74頁)

◆人は最大の資産である(79頁)

◆人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。人は弱い。悲しいほどに弱い。問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。人とは、費用であり、
脅威である。しかし人は、これらのことのゆえに雇われるのではない。人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを
生産に結びつけ、人の弱みを中和することになる。(80頁)

◆人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。
だがそれだけどは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。(130頁)

◆マネジャーの仕事は、体系的な分析の対象となる。マネジャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくとも学ぶことができる。
しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が、一つだけある。才能ではない。
真摯さである。(130頁)

◆成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く。
(262頁)

◆イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である。組織のなかではなく、組織の外にもたらす変化である。イノベーションの尺度は、外の世界への
営業である。(266~267頁)

◆イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を
守るために時間と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる。(269頁)

以上、名古屋戦線異常無し。

※下の写真は、先週久しぶりに立ち寄った、仙台市内 定禅寺通りのケヤキ並木。かつてはこの通りに面したビルに勤務していた。天気の良い日は、心地よい風を受けながら揺れる木漏れ陽の中を歩いたものだ。今でも心癒される空間の一つである。
「もしドラ」 岩崎夏海さん_d0039059_7194037.jpg

by kaiseik | 2011-06-22 06:51 | 読書道 | Trackback | Comments(0)

北海道戦線異状無し・・・メーデーメーデーっ


by kaiseik
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