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「般若心経 絵本」 諸橋精光さん

※善光寺境内の鳩たち。仲がとても良さそうだった。鳩でさえ、他者を思いやる行動(愛情?)があることに感動した。
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東日本大震災は、1000年に一度の「想定外」の災害であったと言われているが、いったい我々はどこまで先を想定したらよいのだろう。
そんなことを考えれば考えるほど、心配性の俺は「般若心経」の境地に至らざるを得なくなるのだ。しかし、この境地に至ってはじめて、心配から少し抜け出すことができる。
先日、「太陽の寿命が50億年である」って話を聞いた。そして、そのもっと前(20数億年後)に生物は死滅するとのこと。理由は、太陽が終わりに向かうにつれ赤色巨星となり、地球も飲み込まれるらしい。その前に、5億年後くらいに気温上昇で海水蒸発、CO2が減って植物が光合成を行えなくなり絶滅、その先には、地球の大気が150度くらいになって微生物もDNAレベルで破壊されるから、生き残る可能性はゼロに近いんだとのこと。なお、肝心の我々人類は?というと、いろいろと言われているが、あと200年後には温暖化で気温が60度上がって滅亡の危機が来るって説もある。

ということは、ビル・ゲイツ、バフェット等の大富豪がどんなに金や土地を豊富に持っていたとしても、太陽系外に脱出させない限り、子孫も富も残すことはできない。要は、それを考えたら、我々が求めてやまない「永遠の幸福」なんてものを手入れることは、絶対に有り得ないのである。
「般若心経  絵本」  諸橋精光さん_d0039059_11294117.jpg

ところで、泉図書館でふと手にとったこの本。久々に絵本に感動させられた。
前に書いたが、俺は宗教にはあまり関心が無い。だが、「般若心経」だけは、哲学的興味がある。
この絵本では、「般若心経」の考え方が絶妙なタッチで表現されていて、とても素晴らしい。
諸橋さんは、この本を構想しはじめてから出版まで25年かかったというが、「般若心経」を心底理解するのに相当に時間がかかったにちがいない。俺の感動した部分は、よく取り上げられる「色即是空」のところではなく、我々が欲望をもって生きている現実世界「無明(むみょう)」こそ、じつは悟りの世界なんだっていうところ。無明の嵐の中の自分という存在は、視点を変えて観るともっと大きな世界の海のちっぽけな1つの波に過ぎないんだから、安心して母なる大海に身を任せて飲み込まれてていい。そして、自身の心のオリからの解放感と安堵感を感じて自由に生きること。それこそが悟りなんだという。
それと、覚えやすい「マントラ」(宗教における祭詞、呪文など)の意味、そして、それを赤ん坊の泣き声になぞらえたところも、すごく面白いし分かり易い。
とにかく、「般若心経」の普遍性をあらためて確信できた絵本である。
以上、東北戦線異状無し。
「般若心経  絵本」  諸橋精光さん_d0039059_11294629.jpg


by kaiseik | 2013-11-28 11:31 | 読書道 | Trackback | Comments(0)

北海道戦線異状無し・・・メーデーメーデーっ


by kaiseik
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