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PHP 12月号 大丈夫! 明日はきっとよくなる!

PHP 12月号 大丈夫! 明日はきっとよくなる!_d0039059_835667.jpgヒューマンドキュメント「いくさが置いていった贈り物」でテノール歌手の新垣勉さんの話を読んで感動した。新垣さんは沖縄で、メキシコ系米国人の父と日本人の母の間に生まれたが、生まれてまもなく両親が離婚、父と母の両方に見捨てられ母方の祖母に育てられた。しかも、生まれてすぐ助産婦の医療ミスで失明し、中学になるまで父、母、助産婦への憎しみだけが募る毎日を続けてきた。そして、中学二年のときに最愛の祖母も亡くなり、天涯孤独に。
生きていることがとても苦しく、死を考えていたそんな中、ある一人の牧師と音楽に助けられ救われていく。そして、宗教と音楽の道を歩み始めながら、いつしか憎しみは感謝に変わっていく。


★印以下は引用。

★「大人になったら、アメリカに行こうと思っていました。アメリカに行って、父を捜し出して殺してやろうと」

★実の母に向って新垣は叫んだ。「どうして僕が生まれたときに殺してくれなかったんだ」と。祖母が泣いている声が聞こえていた。その泣き声にさえ新垣は憤りを感じた。そしてやがて憎しみは、自己否定へと形を変えていった。

★「こんな僕のために涙を流してくれる人がいる。心の底から僕は救われました。城間祥介という一人の牧師が、生きる勇気を与えてくれたんです」

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★「君の声は日本人離れしたラテン的な明るさをもっている。それはきっと、神様からのプレゼントだよ。その声を授けてくれたお父様に感謝しなさい」と。この一言が新垣の運命を変えた。「父がアメリカ人であることを恨んでいた。混血児だと言われていじめにも遭った。でも、その忌み嫌っていたラテンの血が私にこの声を与えてくれた。」

★「憎しみというものは、記憶から消えるものではありません。ずっとつき合っていかなければならない。ならば憎しみは、感謝に変えるしかないんです。それが、血を吐くような憎しみと対峙してきた私の答えなのです」

★「もう父はこの世にいないかもしれない。・・・でももし会えたなら、僕はこう言うでしょう。『今僕は、こうしてちゃんと生きてます。僕の歌で心を癒してくれる人もいます。父さん、この声とこの身体を授けてくれてありがとう』と」

以上は引用。

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今日も新垣さんはどこかで歌う。「さとうきび畑」を。

ざわわ ざわわ ざわわ

風がとおりぬけるだけ

昔 海の向こうから いくさがやってきた

夏の陽ざしのなかで

・・・

知らないはずの父の手に 抱かれた夢をみた

夏の陽ざしのなかで

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人は生きていれば、どんなに苦しくとも必ず救われる時が来る。そんな確信を持つことができた記事であった。いや、我々はもともと様々な人たちに助けられて、救われて生きている。気づかないだけなのだ。もっと周囲の人たちに感謝の気持ちを持って接したい。

以上、東北戦線異常無し。
Commented at 2005-11-20 02:25
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by つかさ at 2005-11-20 09:12 x
何か特別なことがあれば別ですが
日常では、ついつい感謝の気持を忘れてしまいます。
反省!
Commented by lila_23 at 2005-11-21 00:42
kaiseikさん、おじゃまします^^
何年か前に新垣さんのコンサートに行きましたが、
とても感動しました。
その時にこの話もおっしゃってました。
人の出会いって不思議ですよね。
もし牧師さんとの出会いがなければ、
今の彼はなかったかもしれない。
偶然の必然みたいなものを感じました。
by kaiseik | 2005-11-19 08:20 | 読書道 | Trackback | Comments(3)

北海道戦線異状無し・・・メーデーメーデーっ


by kaiseik
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