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無言館

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今週、東信地区の自治体を訪問した際に、かねてから訪れてみたいと思っていた「東御市梅野記念絵画館」(http://www.umenokinen.com/)と「無言館」(戦没画学生慰霊美術館)に寄ってきた。
梅野記念絵画館は、館長でもある梅野隆さんという方がお父様の代から蒐集してきた、主に日本人の描いた洋画を見ることが出来る。ここは東御市芸術むら公園の明神池のほとりにひっそりと立ち、浅間山の眺望が美しい、とてもこじんまりした美術館だ。
梅野さん曰く「絵は高額で分からないという人は高額なものが美しい絵だと思っているが、美しいものはそこらへんにいくらでも存在している。自分の美を信ずることさえ出来れば素晴らしい美がいくらでも落ちている。見ようとしないだけ、見えないだけだ。」。俺も同感、絵画は心の鏡であると思っている。どんな画家が、何を思って描いたかは関係なく、自分が何を見出せるかだ。
梅野絵画館には、風景画、静物画、人物画、抽象画など様々なジャンルの作品があるが、どれも梅野さんのお父様や梅野さん自身がその絵の中に心を震わせる美を見出したものだという。
俺がそれらの作品を一通り見て感じたのは、全体的に暗い印象派的な画風だということだ。画家の心の奥底に重く沈んでいて、静かに落ち着いているもののどこかで自己主張したい気持ちが絵の具や筆にこめられている。それが、梅野さんには「美」として感じられたのであろうか。俺にも共鳴できるものとそうで無いものがあったが、一つでもそんな作品があればこれはこれで良いのだと思う。
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その後、仕事の帰りがけに「無言館」「信濃デッサン館」を訪問。俺が、長野を去る前に一度は行ってみたかった場所である。「無言館」は、若くして戦没した画学生の遺作・遺品を集めた美術館。
館長は窪島誠一郎さんといい、お父様は作家の水上勉さんである。芸術家を目指しながらも、戦争で若くして没した画家の卵たち。コンクリート打ちっぱなしの重厚な建物の中の静寂が、彼らの無念をより増幅し心に響かせる。俺は、彼らの絶筆や家族に宛てた手紙を見ながら涙ぐみ、心の中で鎮魂の鐘を鳴らし続けた。「ここはいつか息子、娘と一緒に来たいな。日々生き方に迷っている彼らには何かを感じとれるはず。」と真剣に思った。
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その後、「信濃デッサン館」へ。塩田平を見渡す高台に立つ、その身を隠すかのように蔦を纏った古い建物。ここも夭折した画家たちの作品を集めたデッサン画中心の美術館である。中はそれほど広く無いが、とても印象的なデッサンが展示されている。特に「村山槐多」の作品が素晴らしい。対象の内面を繊細に感じ取りながらも輪郭を太く力強く描いたデッサン。こういう画風は大好きだ。残念ながら「槐多庵」は改装中で見られなかったが、また次の楽しみとしよう。
以上、長野戦線異常無し。
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by kaiseik | 2010-02-20 11:10 | 戦利品 | Trackback | Comments(0)

北海道戦線異状無し・・・メーデーメーデーっ


by kaiseik
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