「折れない心」のつくり方
2015年 01月 17日
年頭のT社長のお話について、私の思うところを述べたいと思います。
初めてのインドからのビデオ発信も新鮮でしたが、その内容にも驚かされたと同時に、とても心動かされました。
お話のなかで、T社長は「高速に失敗せよ」とおっしゃいました。これは、ベンチャー企業ならまだしも、従業員数万人の大会社の社長として、とても勇気のある発言であるなあ、と思いました。 数万人の人間に一度に失敗されたら会社はたまったものでありません。
皆さんは、どう感じられましたか?私同様、勇気づけられた方もおられれば、「T社長が失敗を許しても、その下の経営幹部が本当に許してくれるのだろうか?」と疑心暗鬼になった方もおられるのではないでしょうか?
しかし、我々はこれから誰も経験したことのない未知の時代を生き抜いていかねばなりません。高齢化がますます加速する人口減少時代です。また、IOTという言葉に代表されますが、あらゆるモノ全てがネットワークで結ばれ、劇的な自動化、効率化が行われる、新たな「産業革命」の時代がやって来ます。
そんな時代に、従来の殻に閉じ籠り、現状に留まるだけで変わろうとしない人間は、全て陳腐化して取り残されてしまいます。 我々がこれから、このような新たな時代に備えていくためには、それぞれが他の誰も持っていない強みを自らの中に見いだし、武器にしていかねばならないのであります。
ただ、残念ながら従来の延長線上の取組みで、そのような新たな強みを身に付けていくことは不可能です。
そこで本日の所感では、最も先に日本の課題を突きつけられている東北支社の皆さんには、T社長の命を受け、私が奨励したいことをお話させてください。
それは、「マドルスルー (muddle through)」の勧めであります。「マドルスルー」とは文字通り、先の見えない泥沼のなかを手探りで前に進んでいくという意味です。
ネガティブイメージをもつこの言葉は、実はシリコンバレーでは、起業家が成功する過程の最も尊い経験であるとして、称賛に値する言葉なのです。
現在成功者と呼ばれている人たちも、過去に必死に苦難を切り抜ける経験の中から、これまで誰も思い付かなかったイノベーションを見いだしたり、簡単には挫けないタフな精神力を身に付けたりしてきました。私は、この「マドルスルー」の経験が間違いなく新たな時代を生き抜く武器を持たせてくれる、数少ない修行の一つなのだと確信していますし、私自信もこれまでいくつかの「マドルスルー」で強くなってまいりました。
ここに集まった皆さんにも、是非ともこの「マドルスルー」に積極的にチャレンジしていただきたい。 そして、その貴重な体験の中から、それぞれが独自の新たな強みを得て、強く強く生き抜いていって頂きたいと願います。
少なくとも私は、そのようなチャレンジをして失敗した方を、絶対に罰したりは致しません。
さて本日は、私の「マドルスルー」経験と、その経験の末に成功にたどり着いた何人かの著名人を紹介をしたいと思います‥‥。
※以下は引用。
「15台目のプロトタイプが完成する頃には、私の3番目の子どもが生まれていました。家族を養わねばならない中で、失敗が失敗を重ねてプロトタイプの数はどんどんと増えていき、とうとう2627台目のプロトタイプを作り終えた段階で、資金が尽きてしまう心配まで現実味を帯びてきましたね。妻は私の発明の日々を支えてくれ、3727台目のプロトタイプが完成した頃は、美術教室を開いて稼ぎ手となってくれていました。あの時代が最も厳しく辛い日々でしたね。
でも、DC01(大ヒットした初のサイクロンクリーナー)が仕上がる前に手がけた5127回の失敗のすべてが貴重な糧になってくれたと、私は信じていますよ。5127台目の最終プロトタイプのみが完成形につながったのでは決してありません。それ以前の全プロトタイプが実を生み出し、そのおかげで現在があるんですよ。
いまでも私は常に失敗していますね。
物事とは失敗を繰り返さねば進まないものなのです。だからこそ、失敗しても構わないという寛容な環境を作り出しておくことが大切であり、たとえ社会に出て何年も過ぎた大人であっても、やはり失敗を犯せる自由度が許容されねばならないと私は信じていますよ。」
by ジェームズ・ダイソン
以上、東北戦線異状無し。
北海道戦線異状無し・・・メーデーメーデーっ
by kaiseik
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