※盛岡市の開運橋から望む美しい岩手山。盛岡を見守る守護神のようだ。
昨年の12月から、入社三年目までの若手社員を対象に研修を始めた。
11月に失踪した末、会社を辞めたU君のこともあったが、名古屋時代に入社三年目で長期休職に入ったW君など、最近の若手のある種の「弱さ」がとても気になっていた。
会社では、そのような若手層をひとくくりに「ゆとり世代」とカテゴライズして殊の外配慮し、様々な定期研修を施しているのだが、未だどこか形式的で効果を十分にあげているとは言い難い。
そのため、異例の事だが、支社長の俺が直接その若手に対して「塾」活動を行い、対話をしながら導いていくことにしたのだ。
もちろん、戦力として本当に強化しなければならない層は部課長職クラスなのだが、責任者会議などで日頃から顔を突き合わせいるため、そちらは当面OJTでやらざるを得ない。
ただ、若手をいくら啓発したところで、ダメな中堅社員に毒されてしまったり、若手側が先輩社員のレベルの低さに絶望してしまうようでも困る。
組織として、どの層にどのような教育を施すのかは、組織力を最大限に発揮させるための最重要課題である。
特に、テクニカルスキルとは次元の違う、ピープルスキル、コンセプチャルスキル等という「メタスキル」(人生観、全てのベースとなる考え方や課題解決力等の基本スキル)を伸ばす社員教育というのは、非常に難しい。
親や、それぞれが生きてきた固有の環境からの影響が、色濃く反映される部分であるから。
しかし、そのメタスキルが、その人の「強さ」を裏付けるのも事実である。そして、そんなところに踏み込んでいくことは、カウンセラーにも似たスキルが求められる。
そう、俺自身もメタスキルの先導者として、さらなるスキル向上を図らねばらないのだ。
今月で二回目を迎えた若手研修では、本題とも言うべき研修の目的について、自分の経験も交えて語った。
それは、英語にすると難しいが、「レジリエンス(resilience)」(精神的回復力、復元力、弾力性、自発的治癒力)についてである。
今の若手に最も欠落しているものが仕事における「ストレス耐性」だと漠然に感じていたが、本当にそんなに打たれ弱いのかを対話の中から感じとりたいと思っていた。しかし、よく対話をしてみると今の若者も俺が入社した時と遜色なく、皆それなりに自我を持ち、前向きかつ真剣に仕事に取り組んでいる。
もしかすると、そんな若者たちのピュアでストイックな姿勢と、これまで会社を牛耳ってきた、ちょっと年の離れた俺たちの理不尽前提の「達観」、いや「諦観」とのミスマッチが、挫ける若者を量産し続けているのかもしれない。
いや、多分そうなのだ。
さて、この成熟度ギャップの現実、どう是正してゆくべきか・・・。
以上、東北戦線異状無し。
※青森県五戸町のトップ安全パトロール時に見かけた、ちっぽけなお寺?or神社? 工事の安全を祈って合掌。とにかく寒い(><)。