今日は暑かった
2009年 05月 10日

今日は今年初めて、長野県各地で真夏並みの30度以上の気温となった。軽井沢では29度を超え、観測史上、過去最高気温とのこと。
俺は何故かそんな日に、チャリで少し遠出をしてしまった。
午後1時頃家を出て、街中の風景を眺めながら、一路水野美術館へ。そこで行われている企画展「鏑木清方 伊東深水 師弟展 -美人画の系譜」を観たかったからだ。美術館では、女性の単なる描写ではなく、その内面を巧みに表現した素晴らしい作品に心を動かされた。特に鏑木清方の描く女性は、その視線の先の何かを想像させ、観る人の世界を拡げていく。幼少の頃から読書好きで、一時小説家を目指したという清方は、絵画にも物語性を織り込み、「絵を読む」ことの楽しさを伝えてくれる。展示の中で俺が最もジンときた絵は「薄雪」である。追い詰められ、雪舞い散る中での最後の抱擁をする男女。悲恋の表情がとてもやるせない。鏑木清方は、浮世絵の伝統を受け継いで江戸の古き良き時代の面影を伝えつつも、新しい時代の「時世粧(いまようすがた)」を表現しようとした、バランス感覚の良い先覚者でもあった。


また、伊東深水は、素描を大切にし、自分が納得するまで何度も繰り返し描き直した、美人画の求道者であった。特段、時間をかけたのは女性の顔の肌であり、白磁のような透き通る白い肌を理想としたという。たしかに、深水の描く女性の肌は白く、かつほんのりと香しい。代表作である「指」は、朦朧とする中に白い肌の女性が素肌に黒いレースをまとっているかのようで、ぼかされた幻想的な雰囲気の中で、成熟した女性の色香がほんのりと漂ってくる。ただ、全てが朦朧ではなく、女性のすっきりとした白肌と、いくつかのワンポイントでの赤や青、金の色使いが全体の絵を引き締めているのも、深水の画風、テクニックの一つなのだと知った。13歳で清方に師事した深水は、清方の試みた新しい日本の風俗画をさらに発展させ、近代美人画として確立したのである。


水野美術館内の静寂に一服の涼を得て、暑さでぼぉっとしていた頭がすっきりしてきた。
美術館訪問後は、特にあても無かったため近くの千曲川の土手上に出て、その道をひたすら北上。そして、遠くにMウェーブが見えてきたところで土手を降りた。とにかくそこからは、Mウェーブ、長野運動公園を経て、JR線をくぐり北上、サンロード?とぶつかったところで左折し、ひたすら自宅に向かってひた走る。俺のマンションにつながる長野大通りまでの道がほとんど上り坂であり、立ちこぎとなり、太ももにも乳酸がたまってくる・・キツイ!。そういえば、昨日久々にスポーツクラブで足をいじめすぎた(><)・・・そして今日も・・・しかし、負けるものかぁ~。パンパンに張った脚でフラフラになりながら自宅マンションにたどり着いたのは午後4時過ぎ。硬くなった太ももに触りながら、その下半身の疲労感がとても気持ちよく、いつのまにか大の字で眠ってしまっていた。
以上、長野戦線異常無し。

by kaiseik
| 2009-05-10 21:31
| アート
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